登山するときに最初に頭を悩ますのが登山口までの交通手段ですよね。僕は普段から自家用車で行動しているので基本的にマイカー登山なのですが、そうなると山行形態が登山口と山頂の往復ピストンばかりになってしまいます。そうなってくると、公共交通機関をつかっての縦走登山に憧れたりします。
また、目指す山自体や登山道のコース状況が大幅に経年変化するということはそれほどありませんが、登山口付近までの交通機関のアクセスや林道開通情報などはしばしば変更があったりします。
「平日はバス便がなかった」とか「林道の入り口が閉鎖になっていた」なんてこともあります。登山を開始できずに計画変更や中止ではいかにも残念です。交通機関の時刻表や特にマイカーでアクセスする場合は林道開通情報など、きちんと事前にチェックが必要です。
ただ、どちらが一方がいいというわけではないので、それぞれのメリット・デメリットや注意点を考えてみたいと思います。
マイカー登山は山行計画の幅が広がります
マイカー利用の登山で最大のメリットは、電車・バス等の公共交通機関の運行時間に制約されることなく、事由に山行計画が立てられることです。僕は早起きが苦手なので、前夜に出発して、夜明けとともに登山を開始なんてこともよくしますし、数人で同乗すれば交通費の負担も減らすこともできます。
そんな、山歩きの自由度が広がるマイカー登山ですが、登山口までの道路の多くは高低差のある山岳道路や、未舗装の林道の場合が多くて、山歩き前と下山後に体力と神経を消耗することになり、登山計画においても自由な分だけ注意するべきポイントも多くなります。
なお、林道や駐車場の情報は地元役場の観光課に尋ねるといいです。最近は観光や地域づくりに力を入れているところが多いので、親切に教えてくれたりします。ついでにクマの出没情報やおすすめの立ち寄り湯なんかも聞いておくと山行計画がぐっと楽しみになりますね。
マイカー登山のメリット・デメリット
マイカー登山のメリット
- 登山口までのアプローチの大幅な短縮が期待できる
- 下山後の帰りのバスや電車の時間を気にする必要もない
- 早朝から歩きだせるので、ロングコースにも挑戦できる
- 着替えなどの荷物を車内においておける
- グループ登山などで人数が揃えば、交通費が安上がりに出来る
- 2台で行って回送することが出来れば、入下山口の異なるコースも取れる
- 1台の場合も登山口の駅周辺に停め、バスや電車で戻る方法がある
マイカー登山のデメリット
- 周遊コースが取れないコースでは、駐車場からの往復登山にならざる得ない
- 行き帰りの運転でドライバーに負担がかかる
- 渋滞に遭遇すると計画が狂ってしまうことがある心配だ。
- 林道や駐車スペースに関する事前の情報収集も必要不可欠
- 車上荒らしやイタズラの心配がある
- 駐車場が満車になることがある。
- 下山後などにアルコールの飲むことが出来ない
林道を通行時の注意点
マイカー登山で注意しなくてはならない最大のポイントは、マイカーを登山口まで乗り入れられることが出来るかどうかです。一般車両の乗り入れ規制であれば、途中でタクシー・バスに乗り換えれば済む話ですが、林道閉鎖の場合は登山計画そのものが成り立たなくなってしまいます。
公共交通機関を使ってのアプローチでも同様ですが、最新の情報で林道や山岳道路が走行可能かどうか、また登山口となる付近に駐車スペースがあるかどうかも確認が必要な重要なポイントです。
また、標高の高いところを走る山岳道路や林道は、雨や雪など自然状況の影響を受けやすく、ガケ崩れや落石、崩落、季節外れの積雪などで通行止めとなる場合も多いです。たとえ通行可能な季節であっても、出発前日に現地の市町村に電話で確認しておくと安心です。
また、林道はもともと林業に携わる人が利用するために造られた道路のことです。林道といっても未舗装で道幅も狭いデコボコ道から、観光振興のために整備、舗装された山岳有料道路まで、その様相は実に様々です。有料道路であれば問題はありませんが、一般の林道では、マイカーの車種や装備によって乗り入れの可否を検討する必要もあります。
計画段階で現地の市町村に電話し、2輪駆動車での走行に無理がないかを率直に問い合わせてもよいでしょう。また、4輪駆動車でも、降雪や残雪の可能性があれば、必ずスタットレスタイヤの装着とタイヤチェーンも持参するようにしましょう。
林道走行時の注意点
一般道と違って街灯などない林道の走行では、できる限り夜間の走行を避け、昼までも薄暗い樹林帯であれば、対向車や野生動物に注意をうながす意味でも前照灯を点け、見通しの悪いカーブ近くではクラクションを鳴らすようにしましょう。
道幅が狭い場所での対向車とのすれ違う時は、左側通行にこだわりすぎず、それぞれ谷川、山側に運転席側が来るようにしてすれ違いましょう。
また、下り坂の減速はエンジンブレーキを主にし、フットブレーキを補助として使い、特に砂利の浮いた様な路面での急ブレーキは厳禁です。もし、ガードレールも無いような林道だった場合には、ブレーキロックした車輪が砂利上を滑れば、大事故になってしまいます。
電車・バスなどの交通機関を使って自由なコース取りを楽しむ
電車・バスを利用した山行計画は、車と違って運転や駐車場、渋滞の心配がありません。なんといっても、登りと下りで違うコースを取れるのが魅力です。
電車・バスなど、登山口までの交通機関の運行状況は、登山計画の中でも非常に重要なポイントです。計画の段階で、登山口からのスタート時間を午前8時に設定したとしても、それ以前に登山口に到着できるバスや電車がなければ、計画は成り立たなくなってしまいます。
登山道の状況やコースタイムばかりに気を取られて、交通アクセスばかりに気を取られて、交通アクセスの確認を怠ることは非常に危険です。登山口への到着が1時間遅れれば、当然のように下山時間も1時間遅れることになり、季節にもよりますが、下山が日没時間と重なってしまうことも考えられます。最新の情報で電車・バスの運行ダイヤを確認しておく必要があります。
また、乗り遅れた場合に備えてタクシー会社の番号も調べておくことも必要です。逆に、積極的にタクシーを使ってしまうのもひとつの方法です。人数が揃えば、1人当たりのバスより少し高いだけだし、コースによってはアプローチも短縮できたりします。最寄りの駅が小さな駅ならタクシー会社に予約を入れておくと安心です。タクシー会社の連絡先は、役場や駅に事前に問い合わせすると教えてもらえます。
駅から登山もひとつの選択肢
また、バスの時間を気にして歩くのは落ち着かないという人は、駅からすぐに登れる山を見つけるのもです。東京近郊なら次のような山もお勧めです。探してみると、駅から近い山はたくさんあります。
- 高尾山 … 京王電鉄高尾山口駅前が登山口で、山頂まで約1時間
- 九鬼山(丹沢) … 富士急行田野倉駅から山頂まで約2時間
- 飯盛山 … JR小梅線清里駅から歩いて登れる。所要時間は約1時間30分。
公共交通機関を使った登山のメリット・デメリット
公共交通機関を使った際のメリット
- 登りと下りで違ったコースを歩ける
- 運転の手間や駐車場の心配がない
- 下山後ににアルコールが飲める
公共交通機関を使った際のデメリット
- 山歩きに時間の制約が生じる。
- 全般的にバス便の少ない山が多い。
- 行き帰りの時間によっては通勤・帰宅ラッシュに巻き込まれる恐れがある