登山するなら「落石」の怖さを知っておきましょう

岩場やガレ場を通過していて一番怖いのは落石です。落石にあわないためには、起こりやすそうな場所をまず予測することです。

頻繁に発生するのは、当然ながら急傾斜のガレ場やもろい岩場です。ルンゼ(溝)状になったガレ場は特に危険です。土砂崩れ防止ネットの張られた林道も油断できません。

そして、安全だと思いがちな樹林帯も用心が必要です。木が生えているから落石は無いと思いがちですが、急斜面で岩や石が転がっていれば、森であろうと落石は発生します。転がる最中に木に当たって落ちる方向が読めないので、むしろ危険といえます。

登山における落石の種類とは

落石はハイキングコースではまずありませんが、急登のある登山コースに入ると多くなってきます。落石は自然に起こったものと、登山者の動きで発生する人為的なものがあります。

自然落石

自然落石は、長い目で見れば絶えず崩壊を続ける山の現象といえます。しばらく雨の降らなかったあとに大雨が降った直後や夜の間に気温が下がり岩を支える地面が凍結して盛り上がり、それが溶けて発生するものなど、原因はいろいろです。極端な強風下でも発生します。このような条件の時にはそれとなく注意することで防げる部分もあります。

人為落石

自然落石より厄介なのが人為的な落石で、岩場だろうとガレ場だろうと、先行者がいさえすれば、落ちてくる可能性はあります。特に速いペースで駆け上がろうとするような先行登山者がいたら気を付けましょう。そんな人がいるような時は、安全なところで休憩をとるようにしてやり過ごすのも手です。
落石の注意個所で見逃しがちなところは九十九折りになっているルートです。登山道自体は緩やかでも、下を見れば急傾斜だったりします。ちょっとした小石が落ちただけでも、直下の人にあたる可能性があります。安定した登山道でも上部にに登山者がいる場合や、地形や道の形のために落石の危険がある場合には、声を掛け合って注意をうながすことが必要です。

音がしない雪渓での落石

落石はたいてい、ガラガラあるいはカーンと音がします。しかし、音がしない落石もあります。雪渓での落石です。実際に雪渓を歩いたことがある人ならわかると思いますが、雪渓の上には大きな石がたくさん転がっています。雪渓を囲む岩肌から落ちてきたもので、こちらは音を立てながら雪渓の上に落ちていきます。

しかし、いったん雪に乗った石が雪面の融解などで動き出すと、雪の上を音もなくゴロンゴロンと転がっていきます。もし、ガスで視界が閉ざされていれば、目の前に突如、石が飛んでくることにもなってしまいます。

雪渓の通過中は滑りやすいので、つい足元ばかりに目が行ってしまうが、こんなところでは、上部にも目を配って危険の有無を確認しながら歩くクセをつけましょう。

落石を起こしたり見たりしたら「ラクー!」と大声を出して知らせる

落石のほとんどは小石がパラパラと落ちる程度で甘く見ている人が多いが、実際はかなり危険度が高く、こぶし大の落石でも、打ち所が悪ければ大ケガにつながります。とにかく、落石が起きそうな場所はなるべく通らないことです。

そしてもし落石を起こしたり、発見したら「落石!」「ラクー!」と大声を出し、下にいる人に知らせることが先決です。

もし自分が落石を起こしてしまったときには、躊躇せず大声で「ラクー!」「落石!」と叫びましょう。そして、何事もなく無事に済んでも、下にいる人に忘れずに「すいません」のひと言を。

「落石!」の声が聞こえたときの対処方法

登山道を歩いていて「落石!」の声が聞こえたら、落ちてくる石をしっかり見ることが大切です。足場のいい場所にいたら、そこからサッと離れましょう。逃げ場がなければ、岩陰に身を寄せるなり体の近くを通る瞬間に身をかわすようにします。

「落石!」と言われたら、よく頭を抱えてうずくまる人がいますが、かなり危険です。出来るだけ目で確認した方が避けられる確率は高くなります。

また、グループの仲間が落石にぶつかりそうなのを見たら、「右に避けて」とか「頭を下げて」といったアドバイスをすることも必要です。後ろに続いている人がいなくても、落石ははるか下まで落ちていくことがあるので、そんな時も声をかけるようにします。とにかく、落石の場合はお互いに声をかけ合って事故を逃れるようにしましょう。

 

主に日帰りで低山から八ヶ岳、北アルプスを歩いています。登山を始めてからずっとソロ山行です。

まだまだ山はわからないことばかりですが、同じようにソロで山歩きを始めた方に参考になる情報をシェアしていきたいです。

ヤマノコトをフォローする
登山のトラブル
ヤマノコト
タイトルとURLをコピーしました