僕は普段、ソロ登山ばかりしていますが、気の合う仲間との登山もよいものです。きついルートや、それを乗り越えた先にある素晴らしい景色なんかを共有できるのはグループ登山のメリットといえると思います。
しかし、グループといっても危険を伴う登山なので単なる仲良しグループであってはいけません。もし2人だけだったとしても、目的の山に登って帰ってくるための組織とも言えます。よっぽどのアクシデントでもない限り、一緒に行動することが原則ですし、グループのメンバーが体調不良等で下山を余儀なくされた場合は他のメンバー全員で下山することになります。
このグループ登山を成功させるためには、登山計画に全般において最終決断をするリーダーが必要です。リーダーやその他のメンバーの役割はどういったものでしょうか。
グループ登山は役割を分担して登山計画をたてる
グループ登山で複数のメンバーがいる時は、それぞれが分担して役割を持ちます。また、全くに登山初心者でも、何らかの仕事を分担することで、「主体的に登った」という自覚もできて次の山行には、一人前のメンバーとして成長することができます。
メンバーの役割には、リーダー、サブリーダー、記録係、食料係、会計係などがあります。人数が少ない場合や2人だけの場合でもリーダーははっきりと決めておくと実際の山行がスムーズにいきます。
また、登山計画を立てる時はリーダーに任せきりにせず、現地までのアクセス手段や登山道の状況、当日の天候予測など全員で確認にすることが大切です。これらを各自が頭に入れて、責任を分担することでチームワークがとれるようになります。
グループでのそれぞれの役割
リーダーとサブリーダーをはっきり決め、グループ全体が、その役割を認識することが大切です。
リーダーの役割
リーダーは山行全体を通して、メンバーひとりひとりの安全に責任を持つ重要なポストです。とはいえ、メンバーも登山のさまざまな局面ではリーダーに積極的に提言することも必要です。そのうえで最終的な個々の判断はリーダーが決定します。登山経験はもちろん、決断力を持ち、グループ全体をきめ細やかに見通せる人が適任といえます。
サブリーダーの役割
サブリーダーは歩行時に先頭を立って歩きます。ペース配分を考えるのはもちろん、ルートをチェックする責任も負います。ルートがはっきりしない場合や不明瞭な分岐に出たときは、1人で先回りしてルートチェックも行います。グループの行き先を決定する重要な役割は経験が豊富で体力のある人が務めるのが適任です。
食料係の役割
山で食事を作る場合、献立や食料の買い出しは誰がやるのか、水やコンロ、調理器具は誰が持つのか、それらを指示するのが食料係です。料理の得意な人に任せると安心です。
記録係の役割
今はカメラ付きのスマートホンは各自が持って入ると思いますが、カメラが好きな人を記録係にしてスナップ写真などを撮ってもらうようにするのもよい記念になります。
会計係の役割
人数が多い場合は会計係もいたほうが何かと合理的です。交通費などは、切符をまとめ買いした方が安いこともあるし、交通機関に乗る際、ひとりひとり買っていると時間もかかります。あらかじめメンバーからお金を徴収し、払うのを一人に決めるとスムーズです。また、食料・燃料等を共同で買うものがある場合、会計係がチェックすると負担も公平になります。
グループ登山での歩き方
実際のグループ登山では、基本的にはサブリーダーが先頭を歩きます。リーダーは最後尾からグループ全体を見渡し、必要な指示を出しながら進むのが一般的です。歩行のペースは最も遅い人が無理なく行動できるスピードになるようにして、そのためには、2番手にふつう最も体力的に心配な初心者が来るように配置します。山行経験が豊富なメンバーが複数いるときは、初心者をはさんで初心者、ベテラン、初心者と続くと、個々の場面で適切なサポートができます。
合理的に登っていても、それでもバテてしまう人が出ることがあります。少し休憩をして、行動食や水分補給をしても厳しい状況であれば、荷物を共同装備を中心に再配分し軽くしたりします。または、空身にさせて全員で荷物を分けるなどのサポートも必要です。
グループ登山を楽しむうえでのマナー
グループで登山するうえで最も注意したいのが他の登山者への配慮です。これはやはり人数が多いグループが意識的に配慮することが大切です。休憩する場所も山頂付近で安定した場所などを独占するような行為はもってのほかです。
登山のルールで有名な「登り優先の原則」のおいても、極力、大人数のほうが先に気を配る習慣を身に付けましょう。ちなみに、道を譲る側は山側に立ってザックの背も山側に向けるようにして安全にすれ違えるように気を遣いましょう。